ピンケのモイ!

ほぼ下ネタ

帽子と老婆

最近僕は心が潤っていなくてですね。孤独感、焦燥感、倦怠感を常に感じているんです。


このままじゃ、良くないと思ってね、雑貨屋さんに足を運んだわけです。


なぜかというと


なにか、生物を飼育したい!そうすれば、心が穏やかになる気がする!


って思ったわけです。

って思ったわけですが、ペットは手間(というか猫いるし)だし、家庭菜園て感じでもないしなあと、辿り着いたのがサボテンです。


サボテンって、小さいものでも沢山種類あって、インテリアとしてもお洒落じゃないですか。

世話も楽だし、単純にカワイイ。



だから雑貨屋に行きました。



で、まあいい歳こいたおじさんがちっちゃなサボテンを食い入る様に見つめてどれにしようか考えていたんです。



そしたら突然、後ろから声をかけられまして。


婆「すみません、いいですか?」

そこには老婆がひとり。



へ?何が?って僕は思ったんです。
あ、間違えて僕が、お洒落雑貨屋の店員さんかと思って声をかけてきたのかなって混乱したんです。


僕「はい、なんでしょう」

とりあえず普通に応えました。


婆「あの、その帽子ってどこに売ってるんですか?」


つまりは僕が、県内随一のファッショニスタで、ジュノンボーイ並のイケメンで、誰にでも優しく笑顔で接する好青年だったから、その僕が被るこの帽子がどこで売っているのか気になったということでしょう。


僕「あ、これですか?」

そのときキャップ帽を被っていたんですけど、ブランドの名前とか、お店の名前とかを言っても、おばあちゃんにはわからないだろうな、かえって話がこじれるなって思った僕は、


僕「イオンモールとか行けば売ってると思います。」

って適当に返したんです。


そしたら

婆「それ後ろは黒なの?中は?生地は涼しいのかしら?」

って聞いてくるんです。


僕「そうです!こうなってます」

って言って帽子取って見せてあげたら


婆「んーありがとぉね。すみませんでした。全然わからないもので。そうですよねイオンならありますよね。」


って言ってどっか行っちゃったのね。





なんとなく雰囲気と、ファッションには疎い感じと、優しいオーラで

「このおばあちゃんがこういうキャップ帽を買って被るわけないよな」とは見当がついていたのですが

はっきりと目的を言わないんですね。


通販とかもありますよ、って教えようかと思ったんだけど、どうやらすぐに欲しいっぽい感じで。


僕が思うにおばあちゃんは、孫へのプレゼントを探していたのだと思います。たぶん絶対そう。


だから孫と同じ歳くらいであろう、県内随一のファッショニスタで、ジュノンボーイ並のイケメンで、誰にでも優しく笑顔で接する好青年の僕に声をかけてきたのだと思います。



暑い日だったからね、孫が心配でね、だから帽子をプレゼントしようと思う


っていう思考回路優しすぎて泣いちゃう。

おそらくだけどね。





結局、そのおばあちゃんのおかげで心が潤った僕はサボテンを買わずに帰りました。


唯一つ、「魔女の宅急便」のあのパイを拒絶した女の子みたいに

孫がおばあちゃんからのキャップ帽を「いらねぇよこんなダセェ帽子」とか言わないことを願っています。